驚くことに、ある東京都の病院で30%にも登る患者が風邪の際に、抗生物質、抗菌薬の処方を希望しているとのことなんです。

実は、風邪に抗生物質って効かないんです!

風邪というのは、80~90%がウイルスの感染によるもので、通常は自宅での療養で、1週間程度で治ってしまうものです。

また、抗菌薬・抗生物質というのは、微生物(主に細菌)を死滅させたり、発育を抑える薬であり、細菌ではないウイルスには効果はありません!

ここでさらに詳しく、ウイルスと細菌の違いについてご紹介致します。

ウイルスと細菌は別モノ!

どちらも実際に私たちの目では見れないほど小さなものです。

細菌

大きさは、通常1μm(マイクロメートル)つまり、1mmの1/1000の大きさです。
小さすぎてよくわからないですね。

細菌は細胞を持ち、自分の力で複製できる能力を持つ微生物です。

ウイルス

大きさは、細菌の1/1000の単位nm(ナノメートル)が用いられます。
細菌よりも相当小さいんですね。

ウイルスの構造は、外側がタンパク質でできた殻、内側にはDNA,RNAなど遺伝子をもった単純な構造の微生物です。

細胞のように、自分の力のみで増殖したりすることはできません。そのため、ウイルスは生きた細胞の中の増殖機能をうまく利用して増えていくんです。

ウイルスに感染した細胞はやがて死に、細胞内のウイルスが細胞の外に飛び出ます。そしてまた生きている細胞に入り込み感染を起こす、、、この繰り返しでウイルスは増え続けていきます。

おわかりいただけたでしょうか?
ウイルスと細菌は大きく異なるんです。

そのため、細菌をターゲットとした抗菌薬・抗生物質は風邪には効かないということが納得いくかと思います。

抗生物質のデメリットは副作用と耐性

抗生物質を飲めばもちろんデメリットもあります。

抗生物質には細菌を死滅させ、私たちの体を守るというメリットもありますが、もちろんデメリット(副作用)もあります。

副作用は誰にでも生じるものではありませんが、少量で起きるものから、抗生物質を使えば使うほど副作用が強くなるものまであり、予測するのが大変難しいのも現状です。

抗生物質で代表的な副作用

・皮膚症状

じんましんなとの軽症から、皮膚がズル剥けになってしまう重症なものまであります。

・血球減少

貧血をおこすことがあります

・腎臓障害

薬により、間質性腎炎をおこふことがあります。

・アナフィラキシーショック

血圧が低下したり、呼吸ができなくなることがあります。

などです。重症度ものはまれですが起こる可能性もあります。

抗生物質の耐性

さらに今問題になっているのは薬剤耐性です。

抗生物質を乱用すると耐性ができる

耐性とは
以前は有効な抗菌作用(細菌を死滅させたり、増殖を抑える働き)があった抗菌薬に対して、細菌が抵抗を強くした場合をいいます。
簡単に言うと、薬が効かなくなってしまうんです。

風邪と言って、むやみに抗生物質を飲んでしまうと、耐性菌が増えてしまい、あなたが本当にその抗生物質を使って治療をしたい時に効かなくなってしまいます。

医師は『風邪には抗生物質は必要ない』といっても、ウイルスによる風邪の患者が抗生物質の処方を強く希望する場合は、60%の医者が処方してしまう、というデータもあります。

ご自身で風邪のとかには抗生物質は必要ない、むしろむやみやたらに飲んでしまってはリスクがある、ということをご自覚頂きたいと思います。

いまや耐性菌は増え続け、世界的な問題になっています。

人ごとだと思わず、抗生物質を飲むときには、一度本当に必要なのか考えてみることも大切なのではないかと思います。

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